速きこと豚の如く

明後日の方向に使えるムダ知識

映画『ヴェノム』を見てきたわよ

【作品の内容に大きく触れておりますので、まだ見てない人はその点重々ご注意下さい!】

新しくペットを買い始めるときに、事前に充分な下調べを行っておくことは飼い主の重要な責務でございます。自分とは全く異なる命を預かる責任は大きく、新しい家族が家に来てからあたふたするようでは飼い主失格ですから。何を食べるとか、適切な運動量とか。室温なんかの調節も不可欠ですし、なつきやすいかどうかなんてのも重要かもしれませんね。

エサは人間(なるべく生きた状態が望ましい)、酸素のある状況下では生命を存続できないので適切な『環境』の用意が必要、なつきやすさMAXでめちゃくちゃ人懐っこいし番犬にも持ってこいですが、捨ててもどこまでもご主人様を追ってくる。そんな全く新しいペットが『ヴェノム』です。ペットって言ったら多分当人怒りますけどね。

怖くて泣いちゃう覚悟はしていたけど、まさか声出して笑うとは思わなかった。

というわけでほのぼのコメディ映画『ヴェノム』見てきました。特に内容の要約等は考えず、まだ見てない人へのネタバレを避けながら見た人と感想を共有したい。そういう目的の記事です。

 

一応目次

デレるの早いね君。

あの手の怪物に寄生されたら、普通ならまぁなんか代償支払うとか、少なくとも長い時間かけて和解に持ち込むのが筋ってもんだと思うんだけどそういうの全然なかったよね。呪術廻戦の虎杖君とかめっちゃ苦労しそうなのに。その点ヴェノムはなんか最初っから話が通じるしわりと言うこと聞いてくれるし、お礼言ったら「どういたしまして」って言えるし加速度的に寄生主を気に入って「お前が俺を変えた」とか言うし一時的に身体借りたアンにもなんかしっぽブンブンだし。

エディはエディで順応力が高すぎるっつーか初めての食人(あの行為が宿主にとってどの程度真に迫って感じられるのかは不明だけど)もわりと受け入れるし、ヴェノムが火に溶けた時には結構心配してたっぽいし最終的にヴェノムと悪友みたいな関係を築くし。あの様子は完全な凸凹コンビだったし、いやそれはまだ良い言い方で、最後のヴェノムからはプリキュアの添え物の淫獣みたいな雰囲気すら感じたぞ。もしくはネット掲示板とエロ本とサブカル漫画で知識を学んだミギー。

まぁ、有能だけど細かいことは気にせず後先も全く考えない、善良だけどある程度ドライなところがある、そんなエディの精神性がヴェノムに良い影響を与えた側面は間違いなくあるんだろうけど。

ヴェノム苛められっ子だったんじゃねぇかな

作品内の描写からそんな印象をウケた。一つには裏切る時の思い切りが良すぎる。いくら人間世界が気に入ったと言っても一応仲間だったんでしょ。ライオットがかなり軍人気質っぽいことから、シンビオートはそれなりに信頼関係みたいなものを築ける種族だと推測できる。なのに、さした信頼関係を築いた描写もないのにあのドライさ。多分元々かなり変わり者の爪弾き者だったんだろうな、と思いました。

もうひとつはライオットとの戦力差に対して諦めが非常に良い。お前その人相なら「俺が負けるわけねぇ」くらい言いなさいよ。なんで負けそうになったら「だから言ったじゃん」みたいな態度なのよ。「武装の差で勝てない」とか「ほとんど可能性ない」みたいなことも言うし。エディと融合したばかりの時はあんなにイキッてたのに……陰キャ過ぎる。でもそこが好き。可愛い。

ヴィランのキャラ付けが好き。

ドレイクさんのキャラ造形は見事だったと思う。徹底して人類の今後のために、悪意なくあらゆる全てを犠牲にして研究を推し進める人。ホームレスを実験台にしてたのも、「ホームレスなら使ってもいい」んじゃなく「ホームレスなら使いやすい」からなんだと思う。蓋を開けてみればコメディあり、痛快アクションありな娯楽映画だったこの作品の中で、そんなドレイクの様子だけが見てる私に恐怖を与えてくれた。……だけは嘘だな。結構不気味な要素は他にもあったよ、冒頭の次々帰省先を変えるシンビオートの様子や、妙に食人にドライな主人公パーティとか。とにかくドレイクを見ていると脳内のウェザーリポートが「自分が悪だと気付いてない最もドス黒い悪」だと盛んに喚くので、ベタなマッドサイエンティストと言えばそれまでだけども、とにかく好きな敵役でした。

そんな感じ。

といいうわけでスッゴく楽しかったんです。大作アクションは劇場で見るとやっぱ迫力が違う。アメコミ好きの先輩が居たから迷いなく一緒に見に行けたものの、もしそんな知り合いが居なかったら怖そうだし見るのやめて他の映画優先してたかもしれない。そういう意味では周りに恵まれてラッキーだったっす。

ラストにあのキャラも出てきたことだし、続編がとっても楽しみだ!!頼むからヒットしてくれー!!